Sunday, November 19, 2017

[2017/11/20]今後の日経平均の見通し

[市況]
1117日のNYDowNASDAQは下落しました。1120日の日経平均先物は、前日比200円安で寄り付くと、午前中は220円安から30円安の間でもみ合い、午後は240円安から130円安の間でもみあって、結局210円安で取引を終えました。日経平均の終値は135円安の22261で、出来高は14.55億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、940万株の買い越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1117日の米国市場では、税制改革の不透明感が意識される中、前日に大きく上げた反動で利益確定売りが優勢となりました。
1120日の日本市場では、前週末の米国市場安や円相場の上昇を受け、利益確定の売りが優勢となりました。一方で、押し目買いや日銀のETF買い観測が下値を支えました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+20.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+11.6%とプラス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

NYDow200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)2.7ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より600円ほど割高であることを示しています(前日比0.5ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.62ポイント(日経平均で13650円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月の鉱工業生産、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財は市場予想を上回りました。一方、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、10月の住宅着工件数、11月の住宅市場指数、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1115 1.4219 1116 1.4356 1117 1.4406 と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171117日に記録した1.4406%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.5PBR1.28となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.5%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%となり、日経平均の割高幅は380円から340円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+440円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.33ポイントから2.29ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。直近の米国の長期金利は低下し、円高圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1120日の米国市場では、10月のコンファレンスボード景気先行総合指数などが注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを300円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど下回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ-100(現在22510円近辺)、下値が25日線(現在22100円近辺)と想定されます。



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Saturday, November 18, 2017

[2017/11/19]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、税制改革の先行き不透明感から、売りが優勢でした。一方、中長期的には、米国政治の混乱FRBの利上げ、ドイツ銀行始め欧州の銀行の信用力不足と信用収縮懸念中国など新興国の景気減速、原油相場低迷などによる世界経済の減速懸念や、中東やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2018年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.50ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER19.4に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.8との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2018年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.5%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER23.6程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が35620円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は13220円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2018GDP予測値(現在+0.98%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、10月の耐久財受注、11月のミシガン大学消費者信頼感指数が注目されそうです。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は7-9月期の決算発表に伴い、ROE予想値は8.8%3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しています。また、今期業績予想の伸び率は+12.5%3ヶ月前に比べて6.9ポイント改善しています。
   米国の長期金利は低下して、日米の金利差は2.37から2.32%に縮小し、為替は113円台から111円台で円高方向の動きでした。今週は111円台から113円台が想定されます。
   OECDの日米の2018年の実質GDP伸び率は改定されて、日本が+1.0%で、米国は+2.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.4ポイント劣ります。
   112週は買い越しで、113週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち、②が強気材料で①③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に3.4ポイント(日経平均に勘算すると760円程度)割高となっています。先週比割高幅が縮小しました。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+22.4%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+12.3%となりプラス幅は縮小しました。3つの要素がプラスですので中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期的トレンドは"黄信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。
短期的には黄信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米企業業績の伸び悩み、米国の景気減速、原油相場の低迷、ハイイールド債市場の下落、英国のEU離脱に伴う金融市場混乱、世界的な長期金利低下傾向、などの懸念は後退しているものの、米国の利上げ、米国政治の不透明感、北朝鮮の情勢、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、中国など新興国の景気減速に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

中国の不動産価格は大都市では横ばいですが設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。

また、直近のLIBOR金利がここ5年来の高値を更新し続けており金融不安再燃の可能性が意識されています。

一方、好材料としては米国の緩やかな利上げペースの可能性、トランプ新大統領の政策期待、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化やECBによる政策金利はマイナス金利と国債買い入れが維持されています。ただ、国債買い入れ枠は20174月から段階的に減額されていますEUも金融正常化へ向かう方向です。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いですです。

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は低下、日米長期金利差は縮まり、為替は週間では円高方向の動きでした。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。


先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ通りでした。上値は想定ラインを70円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど下回りました。今週の日経平均は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在23130円近辺)で、25日線(現在22060円近辺)の間での動き想定されます


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Thursday, November 16, 2017

[2017/11/17]今後の日経平均の見通し

[市況]
1116日のNYDowNASDAQは上昇しました。1117日の日経平均先物は、前日比180円高で寄り付くと、午前中は360円高から50円安と下げに転じ、午後は110円高から90円安の間でもみあって、結局40円高で取引を終えました。日経平均の終値は45円高の22396で、出来高は19.80億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、970万株の買い越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1116日の米国市場では、海外市場や原油相場が持ち直したことが好感され、買いが優勢となりました。四半期決算が市場予想を上回った小売りのウォルマート・ストアーズが急伸し、1銘柄でNYDow70ドル近く押し上げました。
1117日の日本市場では、欧米の株高を受けて買いが先行しました。しかしその後、外国為替市場で円高ドル安が進むと、輸出関連株を中心に売られる展開となり、日経平均は急速に伸び悩みました。午後は積極的な売買は控えられ、日経平均は小動きでした。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+22.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+12.3%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

NYDowは、9日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)3.2ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より720円ほど割高であることを示しています(前日比1.2ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.52ポイント(日経平均で13360円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月の鉱工業生産、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財は市場予想を上回りました。一方、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、11月の住宅市場指数、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1113 1.4158 1114 1.4189 1115 1.4219 と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171115日に記録した1.4219%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.8PBR1.31となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.6%で、こちらは3か月前より6.9ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は440円から380円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+440円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.31ポイントから2.33ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1117日の米国市場では、10月の住宅着工件数などが注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを260円ほど上回り、下値は想定ラインの近辺で、60円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ+100(現在22690円近辺)、下値が25日線+200(現在22260円近辺)と想定されます。



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Wednesday, November 15, 2017

[2017/11/16]今後の日経平均の見通し

[市況]
1115日のNYDowNASDAQは下落しました。1116日の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付き、午前中は60円安から190円高と上げに転じ、午後には390円高まで上げ幅を拡げて、結局370円高で取引を終えました。日経平均の終値は322円高の22351で、出来高は17.74億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、210万株の売り越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1115日の米国市場では、決算発表シーズンがほぼ終わり、材料出尽く感がある中、世界的な株安や原油相場の下落を受け、利益確定売りに押されました。
1116日の日本市場では、日経平均が25日移動平均近辺まで下げ、高値警戒感を背景とした売りが一巡したとの見方が広がり、自律反発の動きとなりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+22.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+12.2%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線の下に在り25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)4.4ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より960円ほど割高であることを示しています(前日比2.2ポイント拡大)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.59ポイント(日経平均で13510円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1110 1.4128 1113 1.4158 1114 1.4189 と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171114日に記録した1.4189%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.7PBR1.30となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は+12.6%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘わらず上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%となり、日経平均は40円の割安から440円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+440円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.32ポイントから2.35ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1116日の米国市場では、週間新規失業保険申請件数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月の鉱工業生産、11月のNAHB住宅市場指数やウォルマート・ストアーズ、ベストバイ、ギャップ、アプライド・マテリアルズなどの四半期決算が注目されるでしょう。


今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを120円ほど上回り、下値は想定ライン近辺で70円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ-100(現在22470円近辺)、下値が25日線+200(現在22200円近辺)と想定されます。


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Tuesday, November 14, 2017

[2017/11/15]今後の日経平均の見通し

[市況]
1114日のNYDowNASDAQは下落しました。1115日の日経平均先物は、前日比150円安で寄り付き、午前中は110円安から290円安と下げ幅を拡げ、午後には420円安まで下げ幅を拡げて、結局390円安で取引を終えました。日経平均の終値は351円安の22028で、出来高は21.59億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、140万株の売り越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1114日の米国市場では、税制改革の先行き不透明感や、中国の低調な経済統計、原油安などの悪材料が重石となり、売りが優勢となりました。
1115日の日本市場では、米国市場の下落や円相場の上昇を受けて売りが先行しました。取引開始前に発表された7月~9月期のGDPが市場予想を下回ったことも重石となりました。午後も利益確定の売りが優勢となり、日経平均は今日の安値圏で引けました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+18.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.6%とプラス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)2.2ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より480円ほど割高であることを示しています(前日比1.5ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.63ポイント(日経平均で13640円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産、9月の小売売上高は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1109 1.4128% 1110 1.4128% 1113 1.4158% と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171113日に記録した1.4158%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.5PBR1.29となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.2%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は260円の割高から40円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+720円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.36ポイントから2.32ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。直近の米国の長期金利は低下し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1116日の米国市場では、10月の消費者物価指数や、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高のほか、シスコシステムズ、ターゲットなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを340円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど下回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ-300(現在22250円近辺)、下値が25日線-100(現在21840円近辺)と想定されます。



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