日経平均の予想: <200708125>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

Saturday, August 25, 2007

<200708125>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.3ポイントとなり、日本市場の割安感は先週に比べ縮小してきました。一方、第一四半期の業績発表はほほ終わり、今期予想増益率は、日経225採用銘柄平均+6.5%と増益基調は再確認されました。米国S&P平均の+8.2%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。先々週の急落により日経平均の予想PERは16.1とここ10年では最低水準となりましたが、現在は17.3まで戻していますが、この面での日本市場の割安感はまだまだ顕著です。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場はFRBによる公定歩合の0.5%下げで、リバウンドして25日線まで戻しました、75日線は13480近辺ですので、もう少しです。8/8の直前のピーク13695が抜けるかどうかポイントと思われます。早期に抜ければ、2ヶ月以内の年初来高値更新も有り得るかもしれません。
②日本は、第一四半期の業績発表は終わりましたので、10月までは相場に与える影響は少なくなると思われます。
③長期金利は低下しており、金利差(3.1%)は拡大しつつあり、急激な円高は一服となりました。キャリートレードの巻き戻しが沈静化しつつあるようです。
④OECDによる日本の今年のGDP伸び率予測値が2.0%から2.4%に上方修正され、米国は2.4%から2.1%に下方修正され、日本市場の割安感は増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向はここ1ヶ月は大きく売り越しです。先週のリバウンドの中でも寄り付き前の外人は連日売りこしでした。今週も続くかどうかを注視する必要があります。
5つのポイントのうち先週は⑤のみが弱気材料でした。今週も米国市場が直前のピーク13695が抜けるかどうかに注目する必要が有ります。
日本市場はテクニカル面では、直近株価は一目均衡表では雲の遥か下となり、200日移動平均線乖離率も-5.9%とマイナス幅は縮小し、総合乖離率も-16.8%とマイナス幅が縮小して、オーバーシュートした分を取り戻しています。しかし、まだマイナス乖離ですので、中期上昇トレンドは"赤信号"です。
今後は、サブプライム問題に端を発した信用収縮が世界の景気に影響するかどうかがカギと思われまが、楽観的な空気になりつつ有ります。
今後も①の米国市場の展開、⑤の外人買いの復活がキー・ポイントと思われます。ここからの投資スタンスは、中長期投資では、ヘッジファンドによって叩き売られたバリュー株の絶好の買い場と思われます。
週末の米国株が大幅高となったことから、今週の短期投資スタンスは、2番底への売りのタイミングを計ることが重要と思います。第一段階は直近の窓埋めとな16400まで、第二段階は25日線までのリバウンドを想定し、この近辺で悪材料が出たタイミングが良いように思います。