日経平均の予想: <20070929>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

Saturday, September 29, 2007

<20070929>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.6ポイントとなり、先週に比べ0.3ポイント減少し、日本市場の割安感は少し減少しました。200日線乖離率差は-9.9ポイントとなり先週よりも1.8ポイント改善しましたが、まだまだ割安です。一方、7月決算の業績発表はほぼ終わり、今期予想増益率は、日経225採用銘柄平均+6.1%と増益率は変化なく、米国S&P平均の+8.0%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。8/17の急落時点の日経平均の予想PERは16.1とここ10年では最低水準となりましたが、現在は17.8とまだまだ低水準で、この面での日本市場の割安感もまだまだ顕著です。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場はFRBのさらなる利下げ観測から堅調に推移し、高値更新までもう一歩のところまで戻しています。
②日本は、第一四半期の業績発表は終わりましたので、10月末までは相場に与える影響は少なくなると思われます。
③長期金利は安定的に推移したものの、金利差(2.9%)は若干縮小して、円高ぎみに推移しています。ユーロに対しては円安。
④OECDによる予測値が改定され日本の今年のGDP伸び率予測値2.4%は変化ありませんが、米国は2.1%から1.9%に下方修正され、日本市場の割安感はさらに増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向はここ1ヶ月は大きく売り越しでしたが、先週後半から大幅買い越しになっています。政局の安定から外人買い復活期待が高まってきました。
5つのポイントのうち先週は①⑤が強気料でした。今週も①の高値更新の有無と、⑤の外人買い越しの定着有無に注目する必要が有りそうです。
日本市場はテクニカル面では、直近株価は一目均衡表では一旦は雲を抜けましたので、期待が持てる形になってきました。200日移動平均線乖離率は-2.9%とマイナス幅は縮小し、総合乖離率も-1.4%とマイナス幅が縮小し、9/3の高値16576円を抜きましたので、中期上昇トレンドは"赤信号"から"黄色信号"に変わりました。
今後は、サブプライム問題に端を発した信用収縮が世界の景気に影響するかどうかがカギと思われまが、FOMCによる利下げが相場マインドの転換点となったようですが、日本市場は下げの55%程度しか戻していません、米国市場に比べ戻り方が弱い点が問題です。この原因が政局の混乱と改革の後退懸念を嫌気した外人の売り越しとすると、今後も戻りは弱いことを覚悟しなければなりません。
今後も①の米国市場の展開、③に伴う為替の動向、⑤政局の安定と外人買いの復活と出来高の動向がキー・ポイントと思われます。
ここからの投資スタンスは、9/3の高値16576円を抜いて短期上昇トレンドに転換できたと思われますので、基本スタンスは買いが有利とおもわれますが、目先は調整圧力が強そうです。下落時の安値が25日線にどこまで近づくかで、次の上昇幅が推測できそうですが、25日線まで下げた場合の次の目標は75日線近辺、あまり押し目を作らずに上昇に転じた場合は200日線近辺までが良いように思います。