日経平均の予想: <081010>日経平均の今後の見通し

Friday, October 10, 2008

<081010>日経平均の今後の見通し

[市況]
9日のNYSEとNASDAQが大幅下落したこと受けて、日経平均先物は前日比1000円安で寄り付き、前場は一時1460円安まで下落しましたが、後場は若干もでし、結局1180円安で引けました。寄付き前の外人は1390万株の買い越しで、出来高は32.7億株と高水準となりましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、6日連続安値更新銘柄数は1000を超え異常な事態は続いています。
9日の米国株式市場では、朝方こそ反発して始まったが、ポールソン米財務長官が金融機関への公的資金注入を示唆する半面、すべての金融機関が救済されるわけではないと指摘したことや、FRBや米政府が相次いで金融不安の解消に向けた対策を講じているが、株価は下げ止まる兆しが見られず、市場では資金注入などの支援策が実際に実行に移され、効果が確認されるまで買いを入れづらいという状況になってきたようです。市場心理の弱さが続く中で金融関連株への空売り禁止措置が解除されたことも市場心理を圧迫した面があり、短期金融市場に落ち着きが見られないなか、金融株を中心に売りが膨らみました。GMが31%急落したことも重しとなり取引終了にかけて一段安となりました。
10日の日本市場は、日経平均は7日続落し、下げ幅は3091円に達しました。GMが急落したことで金融危機に伴う一般企業の経営に対する警戒感が高まった上に、中堅生保の大和生命保険が経営破綻し、前日に民事再生法適用を申請した不動産投資信託のニューシティ・レジデンス投資法人の経営破綻と合わせて、国内企業の資金繰りに対する懸念も広がったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値を更新し、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-98.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率は-37.5%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.5ポイントに拡大しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.5ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は大幅拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
ポールソン米財務長官が金融機関への公的資金注入を示唆するだけでは銀行間金利は下がらず、やはり、市場は根本的な信用収縮対策である銀行への具体的資本注入策を要求して下げているように思います。英国政府のように各国政府も市場の下落には耐えられずいずれ対応せざるを得ないのではないかと思われます。当面の市場の関心事はどうすれば、銀行間取引が正常となるかであることが、明確になったように思います。各国とも大手金融機関は潰さないとの強力なメッセージと法的措置及び市場が安心する為の金融機関のディスクローズが必要と思われますので、実際に資本を注入し銀行間取引が正常化するには、いま少し時間が掛かるように思います。中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はなかなか払拭できません。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、9日は下落し年初来安値を更新してしまいました。(9月安値14.0ドルに対して現在12.9ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-8.6%で、予想PERは10.4、PBRは0.97となりました。

[今後の見通し]
日本市場は米国市場安以上に反応し今日も暴落しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-5.3%(-570円)と割安度(売られ過ぎ度)は大幅に拡大しました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新して下落基調が顕著です。今日も先物の突っ込み後のリバウンドは一時的にこそ500円ほどありましたが、終値ベースでは大したことはありませんでした。CBOE VIX (恐怖指数)は依然として高く市場心理の悪化は改善していません、ここまで来ると、今夜かG7かその後か判りませんが、強力な材料を待って買い出動しても遅くはないでしょう。


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