日経平均の予想: <20081209>日経平均の今後の見通し

Tuesday, December 09, 2008

<20081209>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日のNY DowとNASDAQは大幅上昇しましたが、日経平均先物は前日比20円安で寄り付き、前場に130円高まで上昇しましたが、後場にかけて60円安まで売られました。その後は小動きとなり、結局30円高で引けました。日経平均は66円高でした。出来高は20.0億株と低水準で、寄付き前の外人は久々に1980万株の大幅買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
8日の米国株式市場では、オバマ次期大統領が、米景気対策と雇用促進のためにインフラ投資に取り組む姿勢を示したことで、キャタピラーや素材関連が大幅上昇しました。原油が上昇したことを受け、エネルギー株も高く、ビッグスリー救済をめぐって8日中にも政府・議会が、150億ドル規模の資金支援などで合意との報道などを受け、自動車株も急伸しました。
9日の日本市場は、米市場が大幅続伸したことで、世界景気悪化への過度な警戒感が和らぎ、海運や鉄鋼、機械といった景気敏感株が買われましたが、前日に400円あまり上昇していたため節目の8500円に接近する場面では全般に戻り待ちの売りが増えて伸び悩みましだ。中国株の下落で日経平均は後場に入ると下げに転じる場面もありました。朝方発表の7-9月期のGDP改定値は前期比年率1.8%減と速報値の0.4%減から大幅に下方修正されましたが、株式相場への影響は限定的だったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は上昇しましたが、25日線は抜けず、75日線、25日線の下に在り、9日線の上に在りますので、短期トレンドは"黄信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-47.9%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-31.0%とマイナス幅が縮小しましが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度はこのところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により縮小ぎみですが、今日は縮小し、0.1ポイントの割安水準となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.2ポイント下回るレベルとなり、割安幅は拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線、25日線の上に在ります。Nasdaqは、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線の上に在り、25日線を抜きましたので、米国市場の短期トレンドは、"青信号"となりました。中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場はオバマ政権の景気対策期待で上昇しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、ある程度の支援策は実施されるようですが、破綻の可能性も残っており、影響は流動的です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、寄り付き前の外人が大幅買い越しとなり、多少明るい兆しが見えてきました、しかし、12月の米投資銀行の決が終わるまでは安心できません。全体的に市場は、悪材料に鈍感になりつつあるようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、8日は上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在8.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-34.7%で、予想PERは14.3、PBRは0.95となりました。PBRが再び1.0を下回ってきましたので、長期投資の視点では買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、プレミアムがありましたので、米国市場の上昇率には及びませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは-0.3%(30円の割安)とマイナスに転換しました。プレミアム値はここ1週間は-260~+200の範囲で動いています。日経平均は三角持合をすっきり上離れた形にはなっていませんが、米国市場は25日線と直近高値を抜きよい形になってきました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、テクニカルには、25日線、9日線を抜き、三角持合を上離れた形になり、一目均衡表の雲の中に入りました。日経平均は物足りない感じですが、上昇余地がありそうです。


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