日経平均の予想: <20081216>日経平均の今後の見通し

Tuesday, December 16, 2008

<20081216>日経平均の今後の見通し

[市況]
15日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は前日比40円安で寄り付き、前場に160円安となる場面がありましたが、後場にかけて10円高まで戻しました。その後は小幅な動きとなり、結局60円安で引けました。日経平均は96円安でした。寄付き前の外人は880万株の売り越しで、出来高は19.4億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
15日の米国株式市場では、JPモルガンが大幅安で推移し、金融機関の業績が一段と悪化するとの思惑を誘い他の金融株にも売りが波及しました。投資判断を引き下げられたアップルなどハイテク株の一角も軟調でしたが、FOMCを控え、様子見気分も強く、大きく売り込まれることはありませんでした。
16日の日本市場では、米市場が金融株を中心に下落しており、日本市場でも大手銀行が下げました。今夜、FOMCで追加利下げを決めるとみられますが、決定後の円高圧力が高まることを警戒する声も有り、朝方には下げ幅が200円に迫る場面もありました。その後は、買い戻す動きも出て、底堅く推移しました。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-38.5%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率は-28.9%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.1ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.1ポイント上回るレベルとなり、割高度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線の上に在り、9日線を割りした。Nasdaqも、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線の上に在りますが9日線を割りました。米国市場の短期トレンドは、"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場は投資銀行の決算内容悪化を危惧して下落しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、法案は廃案となったものの政府の支援表明で一旦落着いたようです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、米投資銀行の決算発表悪化懸念が出て来ました。市場は、ここからはも、ビッグ3支援の行方、FOMCの利下げ幅、為替に振り回されそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、15日は下落しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.4ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-34.7%で、予想PERは14.6、PBRは0.97となりました。PBRが再び1.0を下回っていますので、長期投資の視点では買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円高傾向の中、米国市場の下落率ほどには下落しませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+7.1%(560円の割高)とプラス幅が若干拡大しました。プレミアム値はここ1週間は+120~+630の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、テクニカルには、25日線、9日線の上で、一目均衡表の雲の中にあり、比較的強い動きが続いています。日経平均プレミアムも高レベルにも関わらず、今日も増加傾向が継続しています。この理由は円高抵抗力が出てきた為でが、一時的な現象かどうかは明確ではありません、テクニカルには好調を維持していますが、ビッグ・スリー問題は解決にはほど遠く、米投資銀行決算発表も近づき、今夜のFOMCの利下げ幅次第では、為替が大きく動く可能性も有り、引き続きボラティリティーの高い相場が続くと見ておくべきでしょう。


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