日経平均の予想: <20090409>日経平均の今後の見通し

Thursday, April 09, 2009

<20090409>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受け、9日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付きました。その後も終日堅調に推移して、最終的に350円高で引けました。日経平均は321円高で引け、寄り付き前の外国人は450万株の売り越しで、出来高は26.0億株と、増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

8日の米国市場では、アルコアの決算は赤字となるなど厳しい内容だったものの、公的支援の対象に加わるとの報道を受け生命保険株が上昇し、住宅株、小売株の一角も上げ、個別に好材料の出た銘柄中心に買いが入りました。FOMC議事要旨でFRBの米景気に対する厳しい見方が明らかになり、午後に売られる場面もありました。
9日の日本市場では、前日の米市場の上昇に加え、2月の機械受注統計が前月比マイナスの市場予想に反して1.4%増となったことが材料となり、輸出関連株を中心に買いが先行しました。後場に入るとニューヨーク・タイムズが「ストレステストに米金融19行がすべて合格する」と報じたことをきっかけに、大手銀行株が上げ幅を拡大しました。また、株式買い取りに50兆円の政府保証枠を設定すると報道されたことも材料視され、上値追いへの安心感が広がったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+9.4%とプラス転換し、200日線との乖離率は-11.0%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.0ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が拡大しました。
NYDowは、25日線、75日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在りますが、9日線を上回りました。NASDAQは、75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を上回りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め金融サミットも市場の評価を得たようです。3つめに関しては「ストレステストに米金融19行がすべて合格する」と報じられ日本市場は評価したようですが、時価会計の緩和措置の影響だとすると素直には喜べない面もありそうです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は8日、若干下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.70ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-91.2%、予想PERが113.9、PBRが1.0となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率以上に上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.1%(250円割高)となっており、日経平均は、大きく割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+270円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は25日線の上にあり、一目均衡表の雲の上に抜け、75日線、9日線を上回りました。短期的には、黄信号から青信号に変わり強い動きとなりました。日経平均は今夜のNYDowの250ドルの上昇を織り込んだと言えます。明日以降、日経平均が9000円を超えれば、上昇トレンド確認となりますので注目する必要がありそうです。一方、25日線との乖離率は10.2%で、買われ過ぎとなっていますので、利益確定売りも出やすい水準です。9000円を超えずに一服するか、超えて一服するかで、この先の相場のトレンドを予測したいと思います。



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