日経平均の予想: <20090420>日経平均の今後の見通し

Monday, April 20, 2009

<20090420>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日、NYDowとNASDAQが小幅上昇しましたが、20日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付き前場は120円安まで下落する場面もありましたが、後場は持ち直し、最終的に10円安で引けました。日経平均は17円高で引け、寄り付き前の外国人は510万株の売り越しで、出来高は22.7億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

17日の米国市場では、GEの1-3月期決算は減益だったものの、一株利益が市場予想を上回ったことで、買いが入りました。シティの1-3月期決算は6.四半期ぶりに黒字に転じましたが、業績改善期待から大きく上昇していたことと、消費者向けの与信コストが引き続き業績の重しとなることが嫌気され、利益確定売りが出て約9%安で終えました。4月の消費者信頼感指数は前月から上昇し、市場予想以上となり支援材料になりました。
20日の日本市場では、前場は軟調な展開でしたが、アジア市場が高くなっていることが追い風となり景気敏感株や鉄鋼株が売買を伴って大幅高となったほか、ハイテクや自動車など輸出関連株も上昇しました。ただ、国内外の主要企業の決算内容を見極めたいとの雰囲気から積極的な買いは限られました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+5.3%とプラス幅が若干拡大し、200日線との乖離率は-9.3%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.3ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅に変化はありませんでした。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号で、中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示との報道がありました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関しては「近くストレステストの一部公表」と報じられ警戒感も出てきたようです。時価会計の緩和措置の影響も確認したいところです。金融機関の決算発表も内容次第で影響がありそうです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は17日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在3.65ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-94.6%予想PERが185.1、PBRが1.0となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場に連動して小動きでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%(20円の割安)となっており、日経平均は、割安度に変化は有りませんでした。プレミアム値は、ここ1週間、-170円~+230円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線の上にあり、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
ここ数日、日経平均は9100円-8700円のレンジで動いています。25日線との乖離率は4.5%となり、この面の警戒感はなくなりました。また、日経平均は9日線を上回ってきましたので、テクニカルにはニュートラルな状態となりました。市場はGM問題やストレステストの結果がはっきりするまでは、当面9100円-8700円のレンジ内の動きが続きそうです。



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