日経平均の予想: <20090408>日経平均の今後の見通し

Tuesday, April 07, 2009

<20090408>日経平均の今後の見通し

[市況]
7日、NYDowとNASDAQが下落したことを受け、8日の日経平均先物は、前日比140円安で寄り付きました。前場は190円安まで売られ、後場も軟調に推移して、最終的に280円安で引けました。日経平均は237円安で引け、寄り付き前の外国人は1020万株の買い越しで、出来高は23.5億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

7日の米国市場では、四半期決算発表前の1ヶ月間でNYDowは約2割上げており、売りが出やすい環境でした。ジョージ・ソロス氏が最近の株高について、弱気相場のなかの一時的な上昇との見方を示したと伝わり、売りのきっかけになりました。金融機関の不良債権が4兆ドルに達するとのIMFの推計額が報じられ、銀行などの財務不安が改めて意識されたことも相場の重しとなりました。
8日の日本市場では、米市場が下落したことや、米非鉄大手のアルコアの1-3期決算が2四半期連続の最終赤字となったことで、日本企業の業績も底入れする時期がずれこむとの見方につながり、再び世界景気の落ち込みが意識されました。アジア株安、円高、GLOBEXで米指数先物安が重なり終日軟調な展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-1.1%とマイナス転換し、200日線との乖離率は-14.5%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.2ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が若干拡大しました。
NYDowは、25日線、75日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在りますが、9日線を下回りました。NASDAQは、75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つ目については、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め金融サミットも市場の評価を得たようです。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善に一旦はつながったようです。時価会計の一部緩和も一時的には株価にプラスに働きました。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われますが、銀行の業績回復について専門家の厳しい見方も出てきました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は7日、若干上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.76ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.7%、予想PERが103.0、PBRが0.95となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動して下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%(20円割安)となっており、日経平均は変化に乏しい中、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+320円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は25日線の上にあり、一目均衡表の雲の上限に在りますが、75日線、9日線を下回りました。短期的には、青信号から黄信号に変わりました。日・米国市場とも目先の達成感の後に一服し、揉み合っています。結果、日経平均の25日線との乖離率は7.1%で、大分縮小しましが、米国企業の四半期決算が始まりますので、結果次第ではありますが、しばらくは弱含みのもみ合いが続きそうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。