日経平均の予想: <20090515>日経平均の今後の見通し

Friday, May 15, 2009

<20090515>日経平均の今後の見通し

[市況]
14日の、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、15日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付き、その後も終日堅調な動きとなり、最終的に140円高で終わりました。日経平均は171円高で引け、寄り付き前の外国人は710万株の売り越しで、出来高は23.7億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

14日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回り雇用の厳しさが改めて意識されたことで上値の重い展開でしたが、前日に下落が目立っていた銀行株やハイテク株に買い戻しが入ったことで相場は上昇して終えました。
15日の日本市場では、米市場の反発や円高進行の一服を好感し、主力株が買われました。発表された3月の機械受注額の減少率が市場予想平均より小さかったことで、景気の底入れ期待が広がったことと、8000億円規模の資本増強と伝わったみずほFGなどの銀行株が高くなったことで日経平均は高値引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にあり、9日線を上回りましたので、短期トレンドは黄信号から青信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+13.7%とプラス幅が描く拡大し、200日線との乖離率は-2.8%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント上にある状態となり、日本市場は若干割高となりました。
NYDowは75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線の下に在りますが、25日線を上回わりました。200日線は下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が6.0ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及し、可能性が出てきましたが労組と合意の方向との報道も出てきました。ただ、債権者との合意が出来るかが問題です。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、小売り売上の2ヶ月連続減少が重しとなっています。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は14日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.55ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは126.2となりました。PBRは1.1となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.1.%(350円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-100円~+360円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均は堅調な動きでしたが、プレミアムは350円とかなり高水準となりました。先物の売り残も減少してきた点も考慮すると、日経平均は積極的に買いづらいところにあります。ここからは、米国市場の動きよりは下振れする展開が予想されます。



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