日経平均の予想: <20090518>日経平均の今後の見通し

Monday, May 18, 2009

<20090518>日経平均の今後の見通し

[市況]
15日の、NYDowとNASDAQが下落したことを受けて、18日の日経平均先物は、前日比170円安で寄り付き、前場に280円安まで売られる場面がありましたが、後場は多少戻し、最終的に190円安で終わりました。日経平均は226円安で引け、寄り付き前の外国人は280万株の買い越しで、出来高は21.1億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

15日の米国市場では、5月の景気指数や4月の鉱工業生産指数、5月の消費者態度指数がそろって予想より良い内容で、午前中は買いが優勢になる場面がありましたが、石油株やストレステストなどの重要日程を終え、材料出尽くし感から売りが出ている金融株が安くなり株価指数を押し下げました。
18日の日本市場では、先週末の米市場安や円高、新型インフル問題が、このところ強気に傾きつつあった投資心理に水を差した形となりました。近畿地方では既に個人消費や企業活動の縮小が鮮明になっており、景気押し下げにつながる不安材料として意識されました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線を下回りましたので、短期トレンドは青信号から黄信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+5.9%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-4.9%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.4ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に変化しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回わりました。200日線も下回っています。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドも引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が5.6ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりましたが、GMのCEOが破産法を申請する可能性に言及しましたが、労組と合意の方向との報道も出て揺れています。ただ、債権者との合意が出来るかが問題です。2つめについては、米国の雇用状況に底打ちの兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、小売り売上の2ヶ月連続減少が重しとなっています。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は減少傾向は続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は15日、下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.48ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは112.7となりました。PBRは1.1となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上下落率以上に下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.8.%(240円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+140円~+360円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均は先物の売り残が減少して積極的に買いづらいところに、悪材料が重なり大きく下落しました。その結果。プレミアムは240円と110ポイント減少し25日線に接近しました。短期上昇トレンドの中の一服ではあるものの、新たな買いシナリオは日米とも設定しずらい状況です。今後は、しばらく25日線を意識した動きが想定されます。引き続き、米国市場の動きよりは下振れする展開が予想されます。



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