日経平均の予想: <20090612>日経平均の今後の見通し

Friday, June 12, 2009

<20090612>日経平均の今後の見通し

[市況]
11日の、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、12日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。その後も堅調な動きとなり、後場も一段高となりました。引けにかけては利食い売りがでましたが、最終的に120円高で終わりました。日経平均は154円高で引け、寄り付き前の外国人は1310万株の買い越しで、出来高は40.0億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感があります。

12日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が前週から減少し予想を下回ったことや、米30年物国債入札が好調な結果となったことが支援材料となり、NY Dowの上げ幅は130ドルを上回る場面もありましたが、取引終了にかけてやや売り優勢となり伸び悩みました
12日の日本市場では、国内景気の底入れ期待で小売りや建設といった内需株を中心に買われました。中国の5月の工業生産高が好調だったことから、後場は海運株や鉄鋼株の一部にも買いが入り、一段高となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+34.0%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は+10.6%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.4ポイント上にある状態となり、日本市場は割高に転換しました。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQも、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.7イント割高となっています。
市場は現在、「GM破たん処理」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、市場では波乱なく通過しました。今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米国政府の負債拡大懸念から長期金利の上昇が懸念材料となっていますが直近の米30年債の入札は順調だったようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退していますが、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は11日、変化はありませんでした。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.48ル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは43.3となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率以上に上げました、結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.9%(180円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-190円~+220円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線も上回りました。
日米とも短期的にも中期的にも青信号が点灯していますので、上昇トレンドが継続しています。一方、サイコロジカルライン、騰落レイシオ、25日線との乖離率、総合乖離率など過熱感が一層高まりましたので、テクニカルには何時一服してもおかしくない状態です。しかし、ここ数日出来高や外人買いも増加しつつありますので、この状態が継続すれば、まだ上昇余地も有りそうです。今日の上昇でプレミアムはプラス方向に幅が大きくなりましたので、目先は米国市場が上昇しても日経平均の上昇率は限定的となりそうです。


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