日経平均の予想: <20090730>日経平均の今後の見通し

Thursday, July 30, 2009

<20090730>日経平均の今後の見通し

[市況]
29日のNY DowとNASDAQは下落しました。30日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きましたが、前場は50円安まで売られる場面もありました。後場は小動きでしたが、引け際に買い戻され、最終的に前日90円高で終わりました。日経平均は51円高で引け、出来高は19.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は820万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

29日の米国市場では、原油の下落や中国株の大幅安、5年物国債の入札の不調などから、利益確定売りが優勢な展開となり、NY Dowは一時82ドル安まで下げました。ただ、最近発表された企業業績や経済指標の底堅さから相場の先高感は根強く、下値では買いが入り、底堅く推移しました。
30日の日本市場では、前日大引け後にホンダが2010年3月期の業績予想を上方修正するなど、一部の主要企業で収益の持ち直しを示す材料が出て、企業業績の回復期待が強まりました。円が95円台前半まで下落したことや前日に急落した上海総合指数の下げが一服したことも有り買い安心感に繋がったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+28.7%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+16.4%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.6ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は縮小しました。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調なことや、住宅関連指数に底打ち感が出てきたことなどが好感され、株価指数は年初来高値を更新してきましたが、消費関連経済指標は景気の弱さを示しているようです。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避されましたが、引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は29日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.22ドル)依然として安心できる株価とは言えません。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは42.7となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落にも関わらず上昇しました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%(80円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-420円~-50円の間で推移しています。プレミアムのマイナス幅はだいぶ小さくなりましたが、縮小傾向が続いていますので、日経平均は、今後も、NY Dowの動きより上振れする可能性が高そうです。
日・米とも短期、中期の株価指数トレンドは青信号となっていますが、25日線との乖離率がNY Dowで5.6%、Nasdaqで6.0%となりまだ過熱感があり、一休みは続いています。米国市場は過熱感が和らぐまで、弱含みです。日経平均にも過熱感が多少出てきましたが、引き続き、米国市場よりも底堅く推移しそうです。米国市場が大崩れせず、この先も4-6月決算発表が順調であれば、目先の上値余地はまだありそうです。

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