日経平均の予想: <20090805>日経平均の今後の見通し

Wednesday, August 05, 2009

<20090805>日経平均の今後の見通し

[市況]
4日のNY DowとNASDAQが上昇したとを受けて、5日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。前場は徐々に値を下げる展開となりました。後場も軟調な地合いを引き継ぎ、引けにかけて下げ幅を広げて、最終的に前日比150円安で終わりました。日経平均は122円安で引け、出来高は19.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は390万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

4日の米国市場では、6月の仮契約住宅販売指数が前月比3.6%上昇し、上昇幅が市場予想を上回ったことで、住宅市場の底入れを示したと受け止められました。景気期待から住宅、建設機械、銀行株の一角などに買いが入り、NY Dowを押し上げました。ただ、主な株価指数は昨年秋以来の高値水準にあり、高値警戒感からの売りが出やすかった面もありました。
5日の日本市場では、米国市場が上昇したことで、世界的な景気底入れに対する期待感から、前場は4-6月期決算発表で、業績の底入れが確認された銘柄への買いが継続し年初来高値を更新しました。しかし、後場に入ると、主力銘柄に利益確定の売りが広がり、日経平均は伸び悩んで終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+29.8%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+17.3%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.1ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は拡大しました。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数にも底打ち感が出てきました。4-6月期の米GDPや製造業指標も大幅に改善しています。しかし、消費関連経済指標は景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避されましたが、引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は4日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.25ドル)依然として安心できる株価とは言えません。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.1となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowが上昇したにも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%(210円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-260円~+70円の間で推移しています。プレミアムはマイナス幅が拡大して日経平均が不利な傾向に変化しました。日経平均は、今後は、NY Dowの動きより下振れする動きとなる可能性が高そうです。
日・米とも短期、中期の株価指数トレンドは青信号となっていますが、25日線との乖離率がNY Dowで7.0%、Nasdaqで6.9%となり過熱感があります。日経平均が一足先に一服し、日経平均の25日線との乖離率は5.0%となり過熱感は緩和しました。米市場は引き続き、高値警戒感が上値を抑えそうです。明日の日本市場も軟調な展開が予想されますが、一足先に下げた分を、今夜の米国市場の動きに加味する必要がありそうです。


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