日経平均の予想: <20090818>日経平均の今後の見通し

Tuesday, August 18, 2009

<20090818>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNY DowとNASDAQが大幅に下落したことを受けて、18日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付きましたが、前場に80円高まで買われる場面がありました。後場は逆に110円安まで売り直されましたが、引けにかけて戻し、最終的に前日比50円高で終わりました。日経平均は16円高で引け、出来高は18.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は630万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

17日の米国市場では、中国の株式相場が大幅下落したことや、原油安、ホームセンター大手のロウズの決算が市場予想を下回ったことが重なり、個人消費に対する懸念が改めて出て株価指数は大幅に下落しました。8月のNY連銀指数や8月NAHB住宅市場指数は予想を上回ったものの相場を押し上げるには至りませんでした。
18日の日本市場では、米市場の大幅下落や前日に急落した上海総合指数が続落して始まったことから、日経平均は10200円を下回る場面もありましたが、円が95円台前半に下落したことや上海総合指数が上昇に転じたことなど、アジア市場が下げ渋ったことで下値不安が後退し小幅に上昇して引けました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+24.4%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+16.8%となり、プラス幅は若干拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.7ポイント下にある状態となり、日米市場の割安幅は大幅に縮小しました。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数にも底打ち感が出てきました。4-6月期の米GDPや製造業指標も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は17日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.00ドル)依然として安心できる株価とは言えません。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.6となりました。PBRは1.32となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、昨日、先行して下げていた面もありましたが、NY Dowの大幅下落にも関らず上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.3%(130円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス転換しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-90円~-+190円の間で推移しています。日経平均は、しばらくはNY Dowの動きより下振れしやすい傾向が続きそうです。
日・米市場とも短期トレンドは黄信号となり正念場が続いています。日経平均は節目の10100円近辺では押し目買い意欲があるようです。上海市場も上昇して終えましたので、今夜の米国市場で7月の住宅着工件数の発表が市場予想以上であれば、自立反発の可能性が高そうです。しかし、明日の日経平均は米国市場の動きよりは下振れしそうです。


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