日経平均の予想: <20090820>日経平均の今後の見通し

Thursday, August 20, 2009

<20090820>日経平均の今後の見通し

[市況]
19日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、20日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付きましたが、前場に20円安まで売られ、その後は堅調な動きとなりました。後場に200円高となる場面もありましたが、最終的に前日比150円高で終わりました。日経平均は179円高で引け、出来高は21.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は540万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

19日の米国市場では、上海株が急落した影響がNY Dowにも波及し、寄り付き直後に一時90ドル近く下げました。その後、石油在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して減少していたことが明らかになり、原油が大幅に上昇したことや、特許権侵害の訴訟で勝訴したと発表した米メルクが買われるなど、エネルギーやヘルスケアの関連株が相場をけん引し、NY Dowは上昇して終了しました。
20日の日本市場では、米市場高から買いが先行しました。その後、上海市場やアジアの株式市場、GLOBEXの米国市場が堅調に推移する中で先物の買いが入り、日経平均を押し上げました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一方、日経平均の総合乖離率は+25.9%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+17.6%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスです。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線を上回りました。日本市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
NY Dowは200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在り、9日線の下に在りますが、25日線を上回りました。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、2.0ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数にも底打ち感が出てきました。4-6月期の米GDPや製造業指標も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は19日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.13ドル)依然として安心できる株価とは言えません。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.0となりました。PBRは1.33となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率以上に上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%(90円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-90円~-+190円の間で推移しています。日経平均は、しばらくはNY Dowの動きより下振れしやすい傾向が続きそうです。
日・米市場とも短期トレンドは、依然として黄信号が続いており正念場が続いています。上海市場が上昇幅の38.2%押しの節目に到達し、買い戻された点が大きかったようです。今夜の米国市場は景気指数の発表がありますので、これに影響されそうです。日経平均は米国市場次第の動きが続きそうですが、10180から10330円のボックス圏から上離れましたので、目先、テクニカルには上昇する可能性が高そうです。しかし、しばらくは上海市場の動きを横目で睨んだ動きとなりそうです。


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