日経平均の予想: <20090821>日経平均の今後の見通し

Friday, August 21, 2009

<20090821>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、21日の日経平均先物は、前日比同値
で寄り付きました。その後は軟調な動きとなり、後場に230円安となる場面がありましたが、引けにかけて戻し、最終的に前日比80円安で終わりました。日経平均は145円安で引け、出来高は22.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1810万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

20日の米国市場では、8月の景気指数はプラス4.2と前月のマイナス7.5から大幅に改善したことや上海市場の大幅上昇が好感されて、金融株や景気敏感株を中心に買われました。一方、週間の新規失業保険申請件数が前週比で増加し、市場予想も上回ったことは弱気材料でしたが、市場への影響は限定的でした。
21日の日本市場では、米運輸省が自動車買い替え支援策を24日で打ち切ると発表したことや円高が嫌気され、自動車を中心に主力の輸出株が下げました。中国当局が金融機関の自己資本の基準引き上げを計画しているとの報道も嫌気されたようですが、引けにかけて急速に下げ渋って終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一方、日経平均の総合乖離率は+21.0%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+15.9%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスです。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。日本市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
NY Dowは200日線、75日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、4.8ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は大幅に拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数にも底打ち感が出てきました。4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は20日、大幅上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.48ドル)半値戻しを達成しました。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.5となりました。PBRは1.32となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇にも関わらず大きく下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%(50円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナスに転換しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-160円~-+190円の間で推移しています。日経平均は、しばらくはNY Dowの動きより下振れしやすい傾向が続きそうですが、週明けは上振れしそうです。
米市場の短期トレンドは青信号となりましたが、日本市場は、依然として黄信号が続いており正念場が続いています。上海市場に水を注す中国当局の動きの影響も気になります。今夜の米国市場は自動車買い替え支援策の打ち切りや7月中古住宅販売件数の発表をどう捉えるかが注目されます。今日の日経平均は下げ過ぎた面がありますので、週明けの日本市場は今夜の米国市場の動きよりは上振れして始まりそうですが、後場は引き続き、上海市場の動きを横目で睨んだ動きとなりそうです。


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