日経平均の予想: <20090914>日経平均の今後の見通し

Monday, September 14, 2009

<20090914>日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、14日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。前場は軟調な展開となり一時280円安まで売られる場面がありました。後場は安値圏で小動きとなり、最終的に前日比220円安で終わりました。日経平均は242円安で引け、出来高は17.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は920万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態です。

11日の米国市場は、貨物大手フェデックスが利益見通しを上方修正するなど、好材料もあり、午前中は高くなる場面もありましたが、高値警戒感が出ていた金融株を中心に売りが出たことや、原油が大幅安となったことで石油株が下落したことが株価指数を押し下げました。ただ引けにかけて、底堅く推移しました。
14日の日本市場では、前週末の米市場の下落に加え、円高進行が嫌気され、売り優勢の展開となりました。後場は円が90円半ばで、落ち着いていた為に、安値圏で膠着感のある展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は+13.4%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+13.5%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、9.4ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が3.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数はさらに底打ち感が顕著になってきました。4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。8月の雇用統計も改善しました。一方、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しており、米国の設備投資の伸びなやみも足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題はくすぶっています。9月に入り、大手金融機関の不良債権問題も蒸し返しの兆しが少し見えてきました。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は11日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.61ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.2となりました。PBRは1.29となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高が影響し、NY Dowの下落率以上に下落しました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%(90円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス転換しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-150円~-+160円の間で推移しています。日経平均は、今日もNY Dowの動きに対して、下振する動きとなりました。
米市場の短期トレンドは青信号ですが、日本市場は赤信号となりました。今日も、改めて円高を嫌気して下げました。一方、ドル・ベースの日経平均はまだ移動平均の上にあり、強い動きが続いています。引き続き、円高が日本市場を割安にしていると考えられます。今夜の米国市場では重要経済指標の発表がありませんので、商品市場や個別企業材料などが中心となりそうです。まだ円高方向へ動くリスクがありそうです。明日も米国市場より為替の動きが注目されそうです。


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