日経平均の予想: <20091109>日経平均の今後の見通し

Monday, November 09, 2009

<20091109>日経平均の今後の見通し

[市況]
6日のNY DowとNASDAQは上昇しました。9日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きました。前場は寄り直後に50円安となる場面がありましたが、後場寄りにかけて戻し70円高まで買われました、その後は軟調な展開となり、最終的に前日比20円高で終わりました。日経平均は19円高で引け、出来高は16.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は540万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態です。

6日の米国市場では、10月の雇用統計で失業率が10.2%と約26年ぶりの水準に上昇したことが嫌気され、朝方は売りが優勢でしたが、雇用者数の減少幅が前月から縮小した点を評価す向きもあり、売りは続きませんでした。また、アナリストが投資判断を引き上げたGEや保険大手トラベラーズが買われ、相場を支えました。
7日の日本市場では、朝方は円高を嫌気し、売りが優勢となりましたが、売り一巡後は、すぐさま切り返す展開となりました。一方、騰落銘柄数では値下がりするものが多く、手掛かり材料に欠けるなか、次第に方向感を欠く展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-0.1%となり、マイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は+5.8%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の下に在ります。1つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線の上に在りますが、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.0ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」、「為替の動向」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、7-9月期の米GDPや10月の米ISM製造業景況感指数が市場予想を上回りました。米企業の7-9月決算は概ね好調で労働生産性指数も上昇しました。一方、9月の個人消費支出が前月比0.5%減となり10月の消費者態度指数が予想以下となりました。景気指標や住宅関連指標はまちまちです。10月の雇用統計では失業率が10%を超え、米国の設備投資の伸びなやみも景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。FRBは当面ゼロ金利政策維持の方向で、主要金融機関の7-9月期業績を見ると投資銀行業務は好調ですが、米地銀をはじめ、商業銀行業務は不良債権問題で不調です。ノンバンク大手CITの破綻の影響も気がかりです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。3つめについてはオーストラリアの中央銀行が利上げしたことにより、世界的な低金利政策から各国の事情ごとの金利政策への転換点となったようです。為替は金利差による変動となる要素が増しそうです。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は6日、変わらずでした。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.06ドル)8月下旬に61.8%戻し(5.43ドル)を達成後揉み合っています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは33.9となりました。PBRは1.22となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高の割には、NY Dowの上昇に連動して上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.4%(350円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-440円~-120円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振する動きが続いています。プレミアムの中身は、民主党の政策の影響など日本自身の弱さによる分が350円程度で、円高分が30円程度と考えられます。日本市場の弱さにヘッジファンドの決算売りなどの需給要因が加わったままです。この傾向は今週も続きそうな気配です。今夜の米国市場では重要な経済指標の発表はなさそうですので、先週末の10月の雇用統計の影響が残りそうです。日経平均は、膠着感が出てきましたが、個別銘柄は売り優位となっています。引き続き10月6日の9628円を割らずに持ち直せるかどうかに注目したいと思います。


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