日経平均の予想: <20091209>日経平均の今後の見通し

Wednesday, December 09, 2009

<20091209>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日、NYDowとNASDAQは下落しました。9日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付きました。前場は70円安と120円安の間でもみ合う動きでした。後場は、さらに狭い範囲での動きとなりました。最終的に120円安で引けました。日経平均は135円安で引け、出来高は19.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、190万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。

8日の米国市場では、格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期債格付けを引き下げ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスがドバイ首長国の政府系企業6社を格下げしたと発表したことで、投資家がリスクをとりにくくなるとの警戒感が市場心理を冷やし、売り優勢となりました。また、ドルが対ユーロなどで上昇し、原油など商品相場が下落したことで、素材株が下げたことも相場の悪材料となりました。
9日の日本市場は、国際的な新興国信用不安リスクの再燃を背景に、欧米株市場の下落や円高が嫌気されて売り先行で始まりました。寄り前に発表された7-9月期の実質GDP改定値が速報値から大幅に下方修正されたことも重しとなり、一時心理的節目の1万円を割り込みましたが、下値では押し目買いに支えられた面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+8.4%とプラス幅が縮まり、200日線との乖離率は+5.9%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にありますが9日線の下に在り、25日線を下回りました。NASDAQは、9日線、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.6ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、0.6ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや、11月のシカゴ購買部協会景気指数は、市場予想を上回っています。米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では10月の仮契約住宅販売指数が増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数や11月の小売売上高は予想を下回りました。景気指標はまちまちです。
ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題や、ノンバンク大手CITの破綻の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の新興国債務不履行波及リスクも顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。加えて、新型インフルエンザの蔓延が欧米やアジアの経済を停滞させるのでは、との懸念も無視できません。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は8日、下落しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.91ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが34.2、PBRが1.24となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高に振れる中、米国市場に連動して下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.8%となり、日経平均は360円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-10円~+410円の間で推移しています。
円安への戻る動きが止まり、日本市場はボリンジャーバンド+2σで頭を押さえられました。しかし、ドルベースの日経平均は、NYDowと比べた割安修正が続いており、比較的堅調な動きです。日本市場固有の弱さの修正は続いています。一方、米国市場が調整色を強めてきました。今夜の米国市場は、10月の卸売在庫・卸売売上高などが注目されそうです。今日の日本市場はSQ前の水曜日でしたが荒れませんでした。その分明日も注意が必要です。ここからは為替と米国市場の動きに主に影響されそうです。



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