日経平均の予想: <20091228>日経平均の今後の見通し

Monday, December 28, 2009

<20091228>日経平均の今後の見通し

[市況]
25日、NYDowとNASDAQは休場でした。28日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付きました。前場は一時10円高まで上げ幅が縮まる場面もありましたが、直ぐに切り返して上昇しました。後場は高値を更新した後は小動きとなり、最終的に前日比120円高で引けました。日経平均は139円高で引け、出来高は14.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、110万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。

25日の米国市場は、クリスマスで休場でした。
28日の日本市場では、11月の鉱工業生産指数速報が市場予想を上回る内容となったほか、円安持続も投資家心理の安心感となり、11月27日以来の戻り高値を更新しました。後場に入ると、アジア株市場の上昇も好感されて上げ幅を拡大させました。その後は伸び悩みましたが、大引けにかけて高値圏を維持して終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+23.6%とプラス幅が拡がり、200日線との乖離率は+10.6%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.5ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、1.3ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の設備投資や小売売上高と12月の消費者態度指数も市場予想以上となりました。11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では11月の中古住宅販売は好調なものの、新築住宅販売件数が前月比で減りました。11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数は予想を下回っています。景気指標総じて米国の景気の改善を示しているようです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の財政赤字国の債務不履行懸念も顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は24日、上昇しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.35ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが36.3、PBRが1.32となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場は休場だったにも関わらず大きく上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均は280円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+100円~+340円の間で推移しています。今夜の米国市場は重要な経済指標の発表はなさそうですので、個別銘柄の材料が注目されそうです。日経平均は、円安傾向が維持され、年初来高値の更新にチャレンジする動きとなりました。年末まで、薄商いが続きそうですが、円安傾向が続けば、年内に8/28の高値10767円を更新する可能性が大となりました。


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