日経平均の予想: <20091230>日経平均の今後の見通し

Tuesday, December 29, 2009

<20091230>日経平均の今後の見通し

[市況]
29日、NYDowとNASDAQは小幅下落しました。30日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付きましたが、直ぐに下げに転じ、その後も軟調な展開となりました。大引けにかけて一段安となり、最終的に前日比110円安で引けました。日経平均は91円安で引け、出来高は17.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、10万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。

29日の米国市場では、10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比の下落率が縮小し、12月の消費者信頼感指数は2ヶ月連続で上昇しました。午前中はやや買いが優勢で、NYDowは前日に付けた終値ベースの年初来高値を上回る場面もありましたが、市場参加者が少ない中、買いは続かず、小幅安で終了しました。
30日の日本市場では、92円台まで円安が進んだことを受けて、朝方は輸出関連株を中心に買いが優勢となりました。一時10700円台を回復する場面もありましたが、増資懸念から銀行株が下落したほか、企業再生支援機構による法的整理活用案が伝わったJALの急落が影響し、下げに転じました。大引けにかけては利益確定売りが優勢となり、安値引けで大納会を迎えました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+19.5%とプラス幅が縮まり、200日線との乖離率は+9.3%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、9日線・25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.3ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅には、変化はありませんでした。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の設備投資や小売売上高も予想以上で、12月の消費者信頼感指数は2ヶ月連続で上昇しました。11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では、10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比の下落率が縮小しています。11月の中古住宅販売は好調なものの、新築住宅販売件数が前月比で減りました。一方、11月のISM製造・非製造業景況感指数は予想を下回っています。景気指標総じて米国の景気の改善を示しているようです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の財政赤字国の債務不履行懸念も顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は29日、下落しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.37ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが35.8、PBRが1.30となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落率以上に下げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均は50円の割高で、割高幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+40円~+340円の間で推移しています。日経平均は、一時、終値ベースの年初来高値を更新したものの、安値引けとなりました。今夜の米国市場は12月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。日経平均は、年末高値引けとはなりませんでした。年初は、短期的な過熱感が徐々に意識されて、一服する可能性が高そうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。