日経平均の予想: [2010/01/28]日経平均の今後の見通し

Thursday, January 28, 2010

[2010/01/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
27日、NYDowとNASDAQは上昇しました。28日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付きました、前場は20円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、その後は上昇幅を拡げる動きとなりました。後場寄り付き後に一時200円高となった後は、高値もみ合いとなりました、引けにかけて若干引きもどされ、最終的に前日比150円高で引けました。日経平均は162円高で引け、出来高は23.6億株に増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、150万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
27日の米国市場では、12月の新築一戸建て住宅販売件数が市場予想を下回ったこともあって、FOMCの結果判明までは安い水準での推移が目立ちました。FOMCの発表から、事実上のゼロ金利政策を維持することを賛成多数で決めたことで、低金利政策の継続が確認できたとして買い安心感が広がり、主な株価指数が上昇に転じました。
28日の日本市場では、前日までの4日続落で自律反発機運があるなか、米市場の反発を好感した買いが序盤から優勢となりました。前場中ごろに為替が90円台の円安水準を回復したことが買い安心感を強めました。後場は、オバマ米大統領の一般教書演説で新金融規制案に関する具体的な言及がなかったことや、アジア株市場の上昇なども支援要因となり、上げ幅が200円を上回る場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は+5.8%とプラス幅が拡がりました、200日線との乖離率は+5.3%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。
NYDowは200日線の上に在りますが、9日線、25日線、75日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQは、75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.0ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.9ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況、中国の金融引き締めの見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や財政赤字国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。米国の7月~9月期のGDPは概ね好調でした。米企業の10月-12月期決算発表では、一部大手銀行以外は好調な企業が多いようです。経済指標では、1月の景気指数が市場予想を下回りました。12月の失業率は10%で、雇用者数の減少幅は市場予想を上回り改善傾向がストップし悪化しました。一方、住宅関連では、11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落、市場予想よりも弱い内容となりました。12月の米住宅着工件数は市場予想を下回り、12月の中古住宅販売も予想以下となりました。12・1月の景気指標は今までの改善傾向が踊り場に入ったことを示しているようです。さらに、中国の金融引き締めが悪材料となっている面もあります。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。その上、新たに米政府の金融機関に対する規制問題が浮上したことも悪材料です。ドバイショックや、ギリシャ等の財政赤字国の債務不履行懸念問題も忘れる訳にはゆきません。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。
世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は27日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.20ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが36.5、PBRが1.32となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均は170円の割高で、割高幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+40円~+440円の間で推移しています。日経平均は、円安を考えるとNYDowより上げ幅が上げ足らなかったようです。今夜の米国市場は12月の耐久財受注やマイクロソフト、AT&T、P&G、3Mなどの決算が注目されそうです。日米市場とも、売られ過ぎから自立反発しましたが、オバマ大統領の一般教書がトレンドを変化させる好材料とも思えませんので、目先のリバウンドが続いたとしても、その先は調整が続く可能性が高いと思われます。


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