日経平均の予想: [2010/02/22]日経平均の今後の見通し

Monday, February 22, 2010

[2010/02/22]日経平均の今後の見通し

[市況]
19日、NYDowとNASDAQは上昇しました。22日の日経平均先物は、前日比180円高で寄り付きました。前場は310円高となる場面もありましたが、後場は利益確定の売りが出た後は小動きとなりました。最終的に前日比230円高で引けました。日経平均は276円高で引け、出来高は16.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、730万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
19日の米国市場では、前日夕にFRBが発表した公定歩合引き上げについて、この日の株式市場では相場には中立との受け止め方でした。対ドルでユーロが買い戻され、ドルと逆の動きをしやすい商品相場が堅調に推移したことなどが株価を支えました。1月の消費者物価指数が市場予想に反して小幅に低下したことで、インフレ懸念が高まる状況ではないと、金融引き締め時期が早まるとの警戒感が後退した一因となりました。
22日の日本市場では、米公定歩合引き上げで警戒視された前週末の米国市場が小幅ながらも上昇したことが買い安心感を誘いました。朝方の買い一巡後も株価指数先物への買いが続いたほか、上海市場が休場前の預金準備率引き上げに対してネガティブな反応を示さなかったことも安心感を誘い、日経平均株価は25日移動平均線を上放れて一段高となりました。ただ、その後は利益確定売りが優勢となり、大引けにかけてはやや上げ幅が縮小しました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。総合乖離率は+7.1%とプラス転換しました。200日線との乖離率は+4.0%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上に在り75日線、9日線を上回りましたが、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は3.2ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況、中国の金融引き締めの影響」「欧米の金融機関の損失拡大や財政赤字国の債務不履行による金融危機再来と金融規制」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしが、米企業の10月-12月期決算発表は、好悪まちまちな状況です。経済指標では、2月の景気指数や1月の鉱工業生産指数や小売売上高は市場予想を上回りましたが、2月の消費者態度指数が予想以下でした。1月の失業率は9.7%に改善したものの、雇用者数は事前予想に反して減少となりました。一方、住宅関連では、2月の住宅市場指数が改善し、1月の住宅着工件数も改善しましたが、11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落、市場予想よりも弱い内容でした。12月の中古住宅販売は予想以下となっています。12・1月の景気指標はまちまちでしたが2月は改善傾向です。中国・インドの金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャの財政赤字国の債務不履行懸念問題はEUが支援する方向となり、少なくとも3月中旬までは材料にはなりにくいと思われます。このような環境の下、FRBは突然公定歩合を0.5%から0,75%に上げました。
世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は19日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.42ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが31.2、PBRが1.30となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場が崩れなかったことら大幅に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%%となり、日経平均は230円の割安で、割安幅は大幅に縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-520円~-60円の間で推移しています。日経平均は、先週末の下げ過ぎを修正する動きとなりました。今夜の米国市場では特に注目される経済指標はなさそうです。NYDowは押目を作らずに25日線を上回って、11月12月に揉み合っていたゾーンに入り、また、一目均衡表の雲の上限が10500円近辺ですので、そこを、上限に、しばらくはもみ合う可能性がありそうです。


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