日経平均の予想: [2010/04/15]日経平均の今後の見通し

Thursday, April 15, 2010

[2010/04/15]日経平均の今後の見通し

[市況]
14日、NYDowとNASDAQは上昇しました。15日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付きました。前場は120円高まで上昇した後は小動きとなりました。後場は徐々に値を下げる展開となり、最終的に60円高で終わりました。日経平均は68円高で引け、出来高は23.7億株と多めでした。寄り付き前の外国人の売買注文は、690万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
14日の米国市場では、インテルに続き、JPモルガン・チェースが市場予想を上回る1-3月期決算を発表したことから、企業業績の改善期待が強まり相場を押し上げました。また、3月の小売売上高が市場予想を上回り、個人消費の回復期待が広がったことに加え、バーナンキFRB議長が議会証言で、超低金利政策の長期化を改めて示唆したことが、相場の一段高につながりました。
15日の日本市場では、米市場の大幅上昇を好感し、朝方から買いが先行しました。買い一巡後は、中国の経済指標の発表を控えていることから模様眺め気分を強めました。しかし、中国経済の好調ぶりが確認されると、日経平均株価は上げ幅を一時110円超へ拡大させる場面がありましたが、上値では利益確定売りが優勢となったほか、中国人民元の切り上げ観測も重しとなり、その後は伸び悩む展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在り、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。総合乖離率は+18.4%とプラス幅は拡がりました。200日線との乖離率は+10.0%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.0ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表が始まり、インテルに続き、JPモルガン・チェースは予想以上でしたが、アルコアは売上が予想以下となりました。経済指標では、3月のISM製造・非製造業景況感指数、消費者信頼感指数、小売売上高や2月の個人消費支出は市場予想を上回りましたが、3月の景気指数、2月の卸売物価指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想よりは少なかったものの改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売が減少したものの予想以上となり、2月の仮契約住宅販売指数も予想以上で、1月の住宅着工件数も改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています。2・3月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは横ばいのままのようです。2月の消費者物価指数が高い伸びとなった中国の金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は14日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.93ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが33.5、PBRが1.45、ROEが4.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%%となり、日経平均は130円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+50円の間で推移しています。昨日も米国市場は年初来高値を更新しました。日本市場ではTOPIXは年初来高値を更新しましたが、日経平均は今日も年初来高値とはなりませんでした。米国の長期金利の低下と日米金利差の縮小で、為替が円高方向に振れている為に、日本市場の方が軟調な展開が続いています。今夜の米国市場では新規失業保険申請件数、4月のニューヨーク連銀製造業景気指数、 4月の住宅市場指数やグーグルの1-3月期の決算発表が注目されそうです。日経平均の25日移動平均線が11050円まで上昇してきましたので、この水準が、今回の押目の目途の候補ではありますが、米国市場は今のところ米企業の1-3月期の好決算に素直に反応していますので、そこまでの押目を付けない可能性が大となりました。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。