日経平均の予想: [2010/05/18]日経平均の今後の見通し

Tuesday, May 18, 2010

[2010/05/18]日経平均の今後の見通し

[市況]
17日の、NYDowと、NASDAQは小幅上昇しました。18日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付きました。前場は徐々に値を下げる動きとなりました。後場も軟調な動きとなり、一時40円安となる場面がありましたが、大引けにかけて戻し、最終的に20円高で終わりました。日経平均は6円高で引け、出来高は23.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、550万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
17日の米国市場では、世界景気の減速懸念から原油が一時5ヶ月ぶりの水準に下落し、1ユーロ=1.22ドル台後半と、4年1ヶ月ぶりの安値に近づいたことが、嫌気されNYDowの下げ幅は一時184ドルまで拡大しました。ただ、商品相場が下げ渋ったほか、取引終了にかけて内需関連株が買われたことが相場を支えました。一方、朝方発表の5月の住宅市場指数が市場予想を上回ったことや、5月のNY連銀景気指数は予想を大幅に下回ったものの、雇用者数の改善が続いたことも支援材料でした。
18日の日本市場では、円が対ドル、対ユーロともに円安方向で推移したほか、米国市場が底堅い動きを示したことも好感され、朝方は買いが先行しました。ただ、買い一巡後は上値の重さが確認されると、上げ幅はジリジリと縮小しました。後場はアジア市場が軟調推移を続けていることも重しとなり、14時過ぎに指数先物へ大口売り注文が出たことをきっかけに下げへ転じる場面がありました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-10.4%とマイナス幅を縮めました。200日線との乖離率は-1.1%とマイナス幅は変りませんでした。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.0ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅0.3ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月~3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、消費者信頼感指数、4月のISM製造・非製造業景況感指数、小売売上高は市場予想を上回りましたが、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。4月の失業率は9.9%と増加したものの、雇用者数が29万人増と事前予想より多くなり2ヶ月連続で改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数も改善傾向でした。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとするEU各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、これで、沈静化するかどうかは不透明です。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は17日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.86ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが18.0、PBRが1.22、ROEが6.8となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場の上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.6%となり、日経平均は180円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-310円~-60の間で推移しています。日本市場は、ここ6日は米国市場より弱含みで推移していますが、改善傾向です。今夜の米国市場では、4月の住宅着工件数が注目されそうです。欧州市場で、ユーロ売りが一休みして、米国市場や日本市場は小康状態となっています。しかし、ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らないようです。中国の金融引き締め懸念や、米国市場の異常な急落の原因がはっきりしない点も影響は残っていると思われます。本格的な反転の為にはこの3点の解決の道筋がはっきりするか織り込み済みとなることが必要と思われますので、欧米市場の下落が止まるか否かは微妙です。日経平均は200日移動平均線を上回ることが出来ませんでした。中期トレンドが赤信号となりましたので、直ぐに戻らないと、中期的に下げトレンド入りの可能性が高くなります。日経平均は正念場を迎えたようです。


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