日経平均の予想: [2010/06/15]日経平均の今後の見通し

Tuesday, June 15, 2010

[2010/06/15]日経平均の今後の見通し

[市況]
14日の、NYDowは下落し、NASDAQは小幅上昇しました。15日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付きました。前場は小動きでした。後場寄り後に30円高まで買われましたが、引けにかけ売り直され、最終的に40円安で終わりました。日経平均は8円高で引け、出来高は15.4億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、260万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
14日の米国市場では、午前はユーロ圏の4月の鉱工業生産指数が市場予想を上回って上昇したことなどから、欧州や世界の景気に対する懸念が和らいだことで、買いが先行し、NYDowの上げ幅は110ドルを超える場面がありました。午後にムーディーズがギリシャ国債を「投機的」とされる等級へ格下げしたことで、欧州の財政問題の根深さが意識され、高く推移していたNYDowは取引終了間際に下げに転じました。
15日の日本市場では、朝方はギリシャ国債の格下げを嫌気した売りが優勢でしたが、前場は下げ渋る展開となり、見直し買いが次第に優勢となりました。後場に入ると、アジア市場の堅調推移も支援材料となり、上げに転じました。9900円を上回る水準では、上値の重い展開となりましたが、大引けにかけては前日比プラスを維持しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。総合乖離率は-9.6%とマイナス幅を縮めました。200日線との乖離率は-4.1%とマイナス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の下に在りますが、9日線の上に在り、25日線を上回りました。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.9ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅0.2ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.05ポイント割高ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、6月の消費者態度指数、5月の消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、5月の小売売上高、5月の景気指数、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の米仮契約住宅販売指数や4月の新築一戸建て販売件数が市場予想を上回り、4月の中古住宅販売件数も市場予想以上に改善しました。一方、3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は弱含みでした。5月の景気指標はまちまちとなり、世界市場の下落が景気の行き先懸念を生んでいます。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、沈静化するには至っていません。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3カ月物金利の推移は 6月10日 0.5364% → 06月11日 0.5371% → 06月14日 0.5371%と落ち着いてきましたが、上昇傾向は続いています。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は14日、変らずでした。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.88ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが17.0、PBRが1.14、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+0.6%となり、日経平均は60円の割高で、プラス幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-200円 ~ +130の間で推移しています。日本市場は、米国市場より強い動きとなりました。今夜の米国市場は、5月の住宅着工件数や5月の鉱工業生産が注目されそうです。ユーロはムーディーズがギリシャ国債の格下げを発表したことで、下落しました。ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られません。日米とも、25日線超えにチャレンジする動きとなり、日経平均は25日線を上回りましたが、日米とも、もたついている感じです。欧州財政問題は解決されたとは言えず、この先も、株価が25日線や200日線の上で長期間推移することは困難と思われます。日経平均は10000円を大きく超えるなど、下値切り上げ型を確認するまでは、本格反転は期待薄と思われます。


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