日経平均の予想: [2010/07/09]日経平均の今後の見通し

Friday, July 09, 2010

[2010/07/09]日経平均の今後の見通し

[市況]
8日の、NYDowとNASDAQは上昇しました。9日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。前場は寄り後に50円高を付けた後は30円安まで売られる展開でしたが、後場の終盤に70円高まで戻しました。引け際に売られ、最終的に40円高で終わりました。日経平均は49円高で引け、出来高は16.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、240万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
8日の米国市場では、ECBが政策金利の据え置きを決めたことで、欧州株式相場が上昇したことや、週間の新規失業保険申請件数が454,000件と、前週に比べ21,000件減少し、市場予想より少なかったことで、6月の雇用統計をきっかけに広がっていた労働市場の回復が鈍化することへの警戒感が後退したことなどで、相場を押し上げました。6月の小売の既存店売上高は、全体では予想並みの伸びにとどまったものの、予想以上に伸びた一部の銘柄は買われました。
9日の日本市場では、米国市場高を好感した買いが優勢となり、朝方に9600円台を回復しました。ただ、前日引け後に業績見通しを下方修正したファストリテーリングや、巨額増資計画を発表した国際帝石に売りが出たことが嫌気されました。また、与党劣勢とみられる参院選を控えていることも買い手控え要因となり、前場中ごろには一時下げに転じる場面がありました。ただ、後場はやや円安方向へ振れたことを支えに持ち直し、上げ幅を70円超へ広げる場面がありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-14.2%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-6.2%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。
NYDowは200日線の下に在りますが、9日線の上に在り、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、25日線、200日線の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.6ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は変化ありません。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.3ポイント割高となりました。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の4月-6月期決算発表に対しては、期待感が出てきました。経済指標では、5月の耐久財受注、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、6月のISM製造業・非製造業景況感指数、6月の消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、5月の小売売上高は予想以下となりました。6月の失業率は9.5%と減少したものの、雇用者数が12万人減と事前予想の10万人減より増えやや弱材料となりました。一方、住宅関連では、4月の住宅関連指標は好調でしたが、5月の住宅着工件数が予想以下となり、5月の新築住宅販売件数の水準は過去最低で、マイナス幅は過去最大となりました。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+3.8%で予想を上回りました。5月、6月の景気指標はまちまちで、住宅関連指標は悪化しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、世界景気の後退リスクも出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 07月06日 0.5311% → 07月07日 0.5299% → 07月08日 0.5275%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は8日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.97ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.6、PBRが1.12、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均の上昇率は、米国市場の上昇率には及びませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均は10円の割高で、プラス幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、-60円 ~ +330の間で推移しています。日本市場は、一部銘柄の下落で米国市場より伸び悩み、米国市場より強い動きは止まりました。今夜の米国市場は、5月の卸売在庫の発表が注目されそうです。欧州ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られませんが、G20以降、為替市場はこの材料にそろそろ厭きてきた面もあるようです。さらに、ストレステストの結果発表を控え、LIBORも落ち着いていますので、金融不安に関しては安心感が出てきたようです。しかし、米国市場では、景気後退懸念が主テーマとなってきた面があり、経済指標の発表がより注目されそうです。日・米市場共、売り方の買い戻し中心のリバウンドで25日線まで戻してきました。ここからの、上昇には新たな材料が必要と思われます。好材料が出ないと、そろそろ、一服しそうな気配です。来週は米国の4-6期決算発表がありますので、影響しそうです


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