日経平均の予想: [2010/09/15]日経平均の今後の見通し

Wednesday, September 15, 2010

[2010/09/15]日経平均の今後の見通し

[市況]
14日のNYDowは小幅下落し、NASDAQは小幅上昇しました。15日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。前場は110円安まで下落した後に急騰する展開となりました。後場も一段高となり290円高まで上昇する場面あありましたがその後はもみ合いとなり、最終的に220円高で終わりました。日経平均は217円高で引け、出来高は23.6億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、560万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
14日の米国市場では、8月の小売売上高が市場予想を上回ったことや、家電量販店ベスト・バイの決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどが好感され、景気敏感株を中心に買われ、NYDowは高く推移する場面もあったものの、ここ数日上昇が続いた後とあって、利益確定売りが優勢となりました。
15日の日本市場では、朝方は円高への警戒感から、売りが先行する展開となり、日経平均は一時100円ほど下げる場面もみられましたが、前日のNY市場でつけた円高水準を突破したタイミングで、政府・日銀による6年半ぶりの円売り、ドル買い介入が実施され、先物の買戻しを主導に急速な切り返しを見せました。後場も一段高のスタートとなりましたが、その後は大引けにかけて高値圏でのもみ合いとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-0.9%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-5.6%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.9ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、消費者信頼感指数が3ヶ月ぶりに改善し、8月の小売売上高、8月のISM製造業景況感指数、7月の鉱工業生産指数、などは市場予想を上回りましたが、8月のISM非製造業景況感指数、7月の耐久財受注、7月の景気先行指数、8月のニューヨーク連銀景気指数、7月の既存店売上高、は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数が市場予想を大きく下回りました。6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.3%で予想を上回りましたが先月(+0.5%)より伸びは縮まりました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月に入り改善傾向が続いています。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月10日 0.2922% → 09月13日 0.2922% → 09月14日 0.2919%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は14日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.94ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.3、PBRが1.13、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.0%となり、日経平均は90円の割高で、割高幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、ドルベースでも米国市場より強い動きとなりました。今日の日本市場は急激な円安で急騰しました。今夜の米国市場は、9月のニューヨーク連銀製造業景気指数や8月の鉱工業生産の発表が注目されそうです。米国市場は、200日線を上回りました。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以上のものが多く、米国市場の短期上昇トレンドも、崩れていません。相場の過熱感もまだ、それほどではありませんので、日経平均にもサポートとなる余地はありそうですが、日経平均はボリンジャーバンド+2σの9430円近辺を大きく上回りましたので、テクニカルには上値は重そうですので、しばらく、高値もみ合いが続きそうです。ただ、為替が円高に振れるリスクもありそうですので、その場合は乱高下も予想されます。


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