日経平均の予想: [2010/09/21]日経平均の今後の見通し

Tuesday, September 21, 2010

[2010/09/21]日経平均の今後の見通し

[市況]
20日のNYDowとNASDAQは上昇しました。21日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は80円高を付けた後は上げ幅を縮める動きとなりました。後場も下落傾向が続き、最終的に40円安で終わりました。日経平均は23円安で引け、出来高は15.4億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、530万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
20日の米国市場では、6-8月期決算の内容が市場予想を上回った住宅関連のレナーや、クレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの好決算から、企業業績の堅調さが続くとの期待が強まり、住宅株や消費関連株、金融株などに幅広く買いが入りました。IBMのネティーザの買収も好材料でした。9月の住宅市場指数は前月比横ばいで市場予想を下回ったものの、レナーの好決算を背景に相場の反応は限られました。
21日の日本市場では、米国市場が5月中旬以来の高値水準まで上昇したことで、寄り付きから8月3日以来となる9700円乗せとなりました。ただ、円安一服傾向など買い手掛かり材料も乏しく、積極的な上値追いの動きは限定的でした。今晩には米FOMCの結果発表も控え、その後の為替動向を見極めたいとして、様子見ムードも広がる中、後場は安値圏での推移となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+1.4%とプイラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-4.8%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点燈しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点燈しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.1ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.5ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、消費者信頼感指数が3ヶ月ぶりに改善し、8月の小売売上高、8月のISM製造業景況感指数、などは市場予想を上回りましたが、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況感指数、7月の耐久財受注、7月の景気先行指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、7月の新築住宅販売件数、7月の中古住宅販売件数が市場予想を大きく下回りました。6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.3%で予想を上回りましたが先月(+0.5%)より伸びは縮まりました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月は入りやや改善傾向が続いています。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月16日 0.2914% → 09月17日 0.2916% → 09月20日 0.2903%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は20日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.99ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.2、PBRが1.12、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均は110円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-120円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、円高推移で、ドルベースでは米国市場より弱い動きとなりました。今夜の米国市場は、8月の住宅着工件数や FOMCの声明の発表が注目されそうです。米国市場は、200日線を上回りまって推移しています。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以上のものが多く、米国市場の短期上昇トレンドも、崩れていません、NYDowの25日線乖離率は4.0%で少し余裕がありますが、Nasdaqの25日線乖離率は6.4%で買われ過ぎ圏となってきました。ただ、ボリンジャーバンドの+2.σラインが拡がってきましたので、上昇余地もあります。日米市場は材料しだいで、どちらにも動き得る状態が続いていますが、買われ過ぎで反転する可能性が増してきました。


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