日経平均の予想: [2010/09/29]日経平均の今後の見通し

Wednesday, September 29, 2010

[2010/09/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
28日のNYDowとNASDAQは上昇しました。29日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付きました。前場は120円高まで上昇した後に10円高まで上げ幅を縮める荒っぽい動きでした。後場は上値圏での揉み合いとなり、最終的に70円高で終わりました。日経平均は63円高で引け、出来高は17.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、30万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
28日の米国市場では、7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が予想以上だったものの伸びが鈍化し、9月の消費者信頼感指数が予想以上に低下したことなどから、景気動向に敏感な銘柄に売りが出ました。ただ、指標悪化を受けてドルが売られたため、原油が上昇し、金も過去最高値を更新したことで、石油株や金鉱山株が上昇し、相場全体にも買い戻しが優勢になりました。経済指標が悪化すればFRBが追加の金融緩和に踏み切る可能性が高まるとの期待から、指標を手掛かりに下値を売り進む動きは限定的でした。
29日の日本市場では、日銀短観は、実績、見通しともに市場予想の範囲内でしたが、先行きの悪化見通しを受けて、為替介入や追加金融緩和策への期待が高まることとなり、強気材料につながる格好となりました。米国市場高もあり、朝方は買いが優勢だったものの、買い一巡後に先物主導で一時急速に伸び悩む場面もありました。ただ、後場入り後にはバスケット買いなども観測され、需給好転で改めて上げ幅を広げる展開になりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在り、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。総合乖離率は-0.6%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-5.2%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.2ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.6ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、8月の小売売上高、8月のISM製造業景況感指数、などは市場予想を上回りましたが、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米中古住宅販売件数、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月はやや改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月24日 0.2894% → 09月27日 0.2894% → 09月28日 0.2894%と下げ止まり傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は28日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.88ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.1、PBRが1.12、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高にも関わらず、米国市場の上昇に連動した動きでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.3%となり、日経平均は30円の高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-110円 ~ +90の間で推移しています。日本市場は、円高安推移にも関わらず、ドルベースでは米国市場より強い動きとなりました。今夜の米国市場は、重要な経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。ただ、テクニカル指標から、目先は買われ過ぎ圏で、利食い売りが出やすい状況ですので、高値圏での揉み合いが続きそうです。日本市場は為替離れの兆しもあるものの、一目均衡表の雲の上には出ることがなかなかできません。雲を抜くことが中期上昇トレンド入りの条件です。


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