日経平均の予想: [2010/10/20]日経平均の今後の見通し

Wednesday, October 20, 2010

[2010/10/20]日経平均の今後の見通し

[市況]
19日のNYDowとNASDAQは下落しました。20日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付きました。前場は220円安まで売られる場面もあり、軟調な動きでした。後場は小動きながら下げ渋る展開となり、最終的に150円安で終わりました。日経平均は147円安で引け、出来高は18.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、640万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
19日の米国市場では、中国人民銀行が、金融引き締め策を発表したことで、中国の成長鈍化が米企業の収益を押し下げるとの懸念から、利益を確定する売りが優勢となりました。ドル高が進み金や原油が下落し、金鉱山株や石油株が下落しました。主要企業の四半期決算に対して、事前の期待が膨らんでいた反動で、大幅増益となったIBMなどが下落するなど、決算発表が好材料出尽くし感につながる例が目立ちました。
20日の日本市場では、中国人民銀行の2年10ヶ月ぶりの利上げや、バンクオブアメリカに対する住宅ローン買い取り強制要請などが伝わり金融株安の流れが強まり、寄り付きから売りが先行しました。日経平均は一時10月5日の直近安値を割り込みました。後場は、上海市場の切り返しが安心感を誘い、やや下げ渋る動きとなりましたが、戻りは鈍く膠着感を強めました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変りました。総合乖離率は-7.8%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-6.5%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.8ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.8ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、9月の鉱工業生産指数、9月のISM製造業景気指数、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、8月の米仮契約住宅販売指数、8月の米中古住宅販売件数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月14日 0.2891% → 10月15日 0.2891% → 10月18日 0.2891%と低下後横ばい状態です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は19日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.06ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.7、PBRが1.08、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均は10円の割高で、割高幅は変りません。プレミアム値は、ここ一週間、-70円 ~ +160の間で推移しています。日本市場は、ドルベースで米国市場とほぼ均衡しています。今夜の米国市場は、地区連銀経済報告やモルガン・スタンレー、ボーイングの決算発表などが注目されそうです。9-10月に発表された米国の経済指標は、追加金融緩和期待から、予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。一方、日経平均の上昇の為には、今後も効果的な為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要です。米国市場は、四半期決算が好業績ながら材料出尽くしから、下げる銘柄が出るなど、悪材料に反応するようになり、ややピークアウト感が出てきました。この先25日線を割ると一段安のリスクが出てきますので注意が必要です。日経平均は直近安値を割り込み、短期トレンドは赤信号となりましたが、75日線と一目衡表の雲にサポートされた形となりました。正念場を迎えたようです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。