日経平均の予想: [2011/05/01]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, April 30, 2011

[2011/05/01]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、バーナンFRB議長が緩和的な金融政策を続けることを示唆したことや、好調な決算発表が続き年初来高値を更新しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場の下落で0.9ポイント割安となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの15.2との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が0.5%下がり、2011年度の企業業績が2010年度予想値より7%程度下がることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陽線となりました。今週は、リビア・中東情勢に伴う原油高などリスク許容度の変化や1-3月期決算発表内容、雇用統計の発表が株式相場に影響しそうですが、堅調な動きが続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は85%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.9%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.20%~2.09%と縮小傾向で、為替は82円から81円台とやや円高方向の動きでした。今週は82から80円台でのもみ合いが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。ただ、震災の影響は考慮されていない数字ですので、日本は0.5%程度の低下はありそうです。
⑤ 4月3週は買い越しで4月4週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が強気材料で③④が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、12.0ポイント割安となり、先週比0.3ポイント割安幅(弱い動き)が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+0.4%となり先週と比較してプラスに転換しました。総合乖離率は+0.1%となりプラスに転換しました。3つがプラスですので中期トレンドは、”青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、不動産市場の低迷、北アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げなどのリスクが後退し悪材料が引っ込んでいます。好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、好調な企業決算の発表が続いている点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期も上昇トレンドになり、短期も上昇トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差はバーナンFRB議長の緩和的な金融政策継続発言で縮小し、為替は円高ぎみの動きが続いています。
今週の米国市場では、4月のISM製造業指数、非製造業指数や、4月の雇用統計などの経済指標の発表が注目されそうです。先週の日経平均はドルベースではNYDowの動きより強い動きとなりました。今週の日経平均も、米国市場や為替の動きを睨みながらの展開が続きそうです。米国市場は1-3月期決算発表結果を評価する動きが続き、高値を更新する動きとなっています。また、福島原発も終息への工程が示されたことで落ち着きが見られます。ただ、震災の日本経済に与える影響の大きさが決算発表の内容にどう反映されるかが、今後の重要な要素となりそうです。一方、テクニカルな視点での日経平均は、目先、10000円を越える動きとなれば、その後は200日線が下値支持線に変わりそうです。


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