日経平均の予想: [2011/06/26]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, June 25, 2011

[2011/06/26]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、欧州の財政問題や経済指標・企業業績の材料が好悪入り乱れ、もみ合う展開でした。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念、資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はOECDの予測値の改定により、日本市場は2.2ポイント割高となりました。その要因はS&P500のPERが14.0で、東証1部平均のPERの15.0との差と日米金利差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が1.3%程度(OECD予想値より2.2ポイント高い)になることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、欧州財政問題の行方や4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、6の月シカゴ購買部協会景気指数、6月のISM製造業指数の発表などが株式相場に影響しそうですが、弱含みながら、もみ合う相場が続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は+16%ですが、今期ROE予想値は7.9%から7.3%へやや悪化しています。
③ 日米とも長期金利は下降傾向で、日米の金利差は1.84%から1.76%へ縮小傾向で、為替は80円台でもみ合う動きでした。今週は81円台から79円台でもみ合う動きが予想されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は改定され日本が-0.9%で、米国は+2.6%と予想されていますので、この面では日本市場にとって3.5ポイント分の弱気材料です。
⑤ 6月3週は売り越しで6月4週も売り越しだった可能性が高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が弱気材料でした。今週は、①③⑤と地震災害復旧による②④が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、2.6ポイント割安となり、先週比0.8ポイント割安幅(弱い動き)が縮まりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。200日移動平均線乖離率は-1.7%となり先週と比較してマイナス幅が縮まりました。総合乖離率は+0.7%となりプラス転換しました。1つがマイナスですので中期トレンドは、”黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。短期的には赤信号"で中期的には"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、アフリカ・中東政情不安、資源高などのリスクはやや後退しているものの欧州財政問題、新興国の利上、不動産市場の低迷、景気・雇用指標の停滞が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、企業決算は概ね好調である点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドとなっています。日本市場は中期もみ合いで短期は上昇トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準もみ合いで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。一方、先週の日米金利差は縮小傾向で、為替はもみ合いとなっています。
今週の日経平均も、米国市場や為替の動き、などを睨んだ動きとなりそうです。米国市場では目先は調整局面を迎えています。企業業績が好調なことや、欧州の財政問題が今のところ金融不安には繋がっていないことから、11000ドルを下回るような深押しは考えにくい環境ですが、企業業績の下方修正が続くようですと微妙です。一方、日本市場では、3月期決算発表は終了し、欧米市場の動きが与える影響が、より大きくなりそうですが、このところ米国市場より強い動きが続いています。テクニカルな視点での日経平均は、6月10日の高値を上回り、短期は上昇トレンドです。目先はボリンジャーバンド+2σ(現在9705円)と25日線(現在9510円)の範囲のレンジ相場が想定されますが、ギリシャ問題と米国企業業績の変化が鍵を握りそうです。


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