日経平均の予想: [2012/03/25]今週の日経平均の見通し

Saturday, March 24, 2012

[2012/03/25]今週の日経平均の見通し



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、中国、欧州の景気後退懸念、住宅指標の戻りの鈍さで下落しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.91ポイント割高となっています。その要因はS&P500PER13.0で、東証1部平均の今期予想PER21.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の復興などの影響で日本の2012年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.9%分日本が勝る、又は、東証1部平均の来期予想PER15.4程度となることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週も、EU諸国の国債の金利動向と米国経済指標発表の影響が米株式相場に影響しそうですが、NYDowの短期上昇トレンドの変化の有無に注目する必要がありそうです。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い-23%と大幅なマイナスとなり、今期ROE予想値も7.4%から4.9%へ悪化しています。
   日米の長期金利は上昇ぎみで、日米の金利差は1.25%から1.21%へ縮小し、為替は84円台から81円台と円高方向の動きでした。今週は81円台から83円台の動きとなりそうです。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.0%で、米国は+2.0%と予想されていますので、この面では日米市場の差はありません。
   32週は買い越しで、33週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③が弱き材料でした。今週も、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、3.6ポイント割安となりました。先週比1.5ポイント割安幅は拡大しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+10.4%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。総合乖離率は+23.5%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期トレンドは、青信号"が点灯しています。日経平均は25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。中期的には"青信号"で短期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、新興国の利上、欧州の政府債務問題、雇用指標の停滞、などのリスクはやや後退しているものの資源高、不動産市場の低迷、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2014年後半まで継続する見通しの中、10-12月期の米企業決算は概ね好調である点が挙げられます。また、日本市場の10-12月期の企業決算では今期業績の伸び率が鈍化しているものの、日銀が追加金融緩和と年率1%のインフレターゲットを設定したことが好感されて、為替が円安方向を維持していることが、目先の日本市場の上昇余地を残しています。ただ、ファンダメンタル的には割高となっています。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いとなっています
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降傾向が続いており、金融危機懸念は当面収まりつつあるものの、スペイン財政赤字拡大の影響など南欧諸国の国債金利動向を見極めたる必要がありそうです。一方、先週の為替は日米金利差の縮小で、円高方向の動きとなりました。
先週の日経平均は、概ね想定した範囲である上昇中のボリンジャーバンド+2σと+1σの間での動きとなりました。今週の米国市場は1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10-12月期のGDP確定値などの経済指標が注目されそうです。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週の日経平均は上値が縮まりつつあるボリンジャーバンド+2σ(現在10250近辺)で、下値が25日移動平均線(現在9790近辺)と一時的に大きな振れも考えておいた方が良いように思われますが、ボリンジャーバンド+1σ(現在10020近辺)を挟んだ動きが想定されます



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。