日経平均の予想: [2014/03/30]今週の日経平均の見通し

Saturday, March 29, 2014

[2014/03/30]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、ウクライナ情勢緊迫懸念とまちまちな経済指標でもみ合う展開でした。一方、中長期的には、ウクライナ情勢、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復は続きそうです。
2014年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2015年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.28ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER15.6で、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.3%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.9程度になる(日経平均が15300円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2015GDP予測値(現在+1.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は十字線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲の中に在ります。米国市場は中長期的に黄信号で、短期的にも黄信号が点灯しています。今週は、ウクライナ情勢や3月のシカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業景況指数、3月の雇用統計などが株式相場に影響しそうです。NYDow25日線の上で推移出来るか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い前年比+60%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は9.3%と伸び率は前四半期に比べて0.3%増加しています。
   日米の長期金利は低下し、日米の金利差は2.15%から2.10%と縮小したものの、為替は101円台から102円台と円安方向の動きでした。今週は101円台から103円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2015年の実質GDP伸び率は日本が+1.0%で、米国は+3.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   33週は売り越しで、34週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが③強気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、5.0ポイント割安となりました。先週比割安幅が6.7ポイント縮まりました。日本市場は米国市場に比べ中長期的に割安です。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-2.0%となり先週と比較してマイナス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+1.2%となりプラス転換しました。1つの要素がプラスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、住宅市況の低迷、南欧政府債務問題、中東の地政学的リスクなどは後退しているものの、ウクライナ情勢と金融緩和縮小による中国など新興国の景気減速、資源高がリスク要因です。また、中国のシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続及び追加金融緩和余地、ECBによる金利引き下げ余地が挙げられますが、米国の金融緩和の終了時期は早まりそうです。
テクニカルな面を見ると、米国市場はもみ合いで、短期ももみ合いです。日本市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです
目先の状況を分析するとウクライナ情勢は落ち着きつつあるものの、緊迫によるリスク回避の動きは今後も起こる可能性が有ります。日米長期金利差は縮小したものの、為替は円安方向の動きとなりました。日本市場は米国市場の足踏みにも拘らず上昇し、リスクを取れる状況に変化しつつあります。引き続き、外人の売買動向と日経平均が200日線の上で推移出来るか否かを見てゆく必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移し、下値は想定ラインに接近する場面があり、上値は想定ライン近辺となりました。今週の日経平均は、上値がボリンジャー・バンド+1σ(現在15040円近辺)で、値が25日線-150円(現在14600円近辺)の間での動き想定されます


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