日経平均の予想: [2014/04/27]今週の日経平均の見通し

Saturday, April 26, 2014

[2014/04/27]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、1-3月期の企業決算が好調なものが目立ったものの、週末にウクライナ情勢緊迫で売られ、週間でも下落しました。一方、中長期的には、ウクライナ情勢、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復は続きそうです。
2015年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2015年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.83ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.0で、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.8%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.0程度になる(日経平均が16350円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2015GDP予測値(現在+1.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場は中長期的に黄信号で、短期的にも黄信号が点灯しています。今週は、ウクライナ情勢や住宅関連指標、3月の耐久財受注、決算発表などが株式相場に影響しそうです。Nasdaq25日線を上回れるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い前年比+60%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は9.3%と伸び率は前四半期に比べて0.3%増加しています。
   日米の長期金利は低下し、日米の金利差は2.12%から2.05%に縮小し、為替は102円台から101円台で円高方向の動きでした。今週は101円台から102円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2015年の実質GDP伸び率は日本が+1.0%で、米国は+3.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   43週は買い越しで、44週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが①③が弱気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.0ポイント(日経平均に勘算すると580)割安となりました。先週比割安幅が0.1ポイント縮まりました。日本市場は米国市場に比べ中長期的に割安です。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-4.8%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は-1.6%となりマイナス幅が拡大しました。3つの要素がマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。短期的には赤信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、資源高、住宅市況の低迷、南欧政府債務問題、中東の地政学的リスクなどは後退しているものの、ウクライナ情勢と、米国の金融緩和の終了による中国など新興国の景気減速がリスク要因です。また、中国の不動産バブルとシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続及び追加金融緩和余地、ECBによる金利引き下げ余地が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期はもみ合いです
目先の日本市場の状況を分析すると、TPPの日米協議に振り回される展開でした。また、日米長期金利差は縮小傾向となり、為替は円高方向の動きとなりました。これらの影響で、日本市場は米国市場よりは戻りは鈍い状態です。ここからは、日経平均が200日線の上に早期に戻れるか否かを注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジを下ブレして、上値は想定ラインに250円程度届かず、下値は90円ほど下回りました。今週の日経平均は、上値が25日線+50円(現在14570円近辺)で、値がボリンジャーバンド-1σ(現在14220円近辺)の間での動き想定されます


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